空想(1)

昔々、宇宙の片隅に小さな惑星がありました。
その惑星には、ツンデール人とヤンデール人と言う二つの種族が仲良く暮らしていました。

しかし、ある時を境にヤンデール人は闇に堕ちてしまいました。
年を重ねる毎にツンデール人とヤンデール人の対立は激しくなって行き、
ある時ヤンデール人が核兵器を開発すると、ツンデール人も後を追う様に核兵器を開発し始めました。

両者の持つ核兵器の数は、やがてこの星を滅ぼしかねない程の膨大な量に膨れ上がっていきました。
そしてある時ツンデール人の王様が、「悪に堕ちたヤンデール人は徹底的に退治するべきだ」と、ヤンデール人の都市を核兵器で攻撃しました。

これに怒ったヤンデール人の王様は報復としてツンデール人の都市を核兵器で攻撃しました。
こうして何度も報復が両者の間で繰り返され、自然でいっぱいだった緑の惑星はたった数日で死の惑星になってしまったのです。

核戦争を引き起こしたツンデール人とヤンデール人は、巨大な核シェルターに逃れて生き延びました。
その後、ヤンデール人はさらに闇に飲まれて平気で人を欺(あざむ)き、時には命まで奪ってしまうような悪い性格へと変化していきました。

一方、ツンデール人はもうこのような過ちを二度と繰り返すまいと、遺伝子を操作して感情の発達を抑えて知能だけが成長するように体の構造を変えてしまいました。
すると、ツンデール人は頭だけがどんどん巨大化していき、出産が困難になり子孫を残す事が出来なくなってしまいました。
なんとか生き残ろうとしたツンデール人は、クローン技術を使って子孫を残す事を始めました。
そしてまた長い時が過ぎました。しかしもうその時には、ツンデール人から感情や個性と言うものが完全に無くなってしまったのです・・・。

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